わたしはいつからかわたしを演じれなくなっていた
皆が求む「しおん」という人間はおそらく「俺」でも「オレ」でも「ぼく」でも「僕」でもなく「わたし」であることはわかっていた
でも「わたし」は「わたし」ではなく「俺」になっていた。それは求められてるものでもなくそして自分自身が求めていたものでもない。まぁそれを求めてる人もいないわけじゃないけれど。わたしはわたしでないといけないのだ。少なくとも皆の前では。
なぜわたしがわたしでなくなったかの理由はわかってる。
何年かかるかはわからないけれど、わたしがわたしに戻れるように、そのための経験をするために。
自分が自分になれるように。
誰かや何かに吊り下げられるモノじゃなくてわたしがわたしで立てるように。
そのためにわたしは逃げてきた一番つらいことに向き合わなきゃいけない。今まで自分を苦しめてきたものから逃げるんじゃなくて。
今からでも自分に自分を詰め込めると信じたい。
そのために一度立ち止まるのはきっと首を吊る未来を変えると思う。いまの状態でも少なくとも一歩踏み出せた。だから振り返るくらいできるはず。
わたしがわたしに戻るために、それが仮初の虚栄で無くなるように、その名のごとく、栄華を極めるために。