昼というのを一度経験した先はずっと昼過ぎなのではないかと、バカみたいな話をしていた。
そういう意味ではわたしたちは常に夜明けにいるし、夜明け前にもいる。
一度経験したことは消えないという意味で。
気が付けばわたしのまわりにはまた大切な人たちが増えていた。
さあ、このかかわりが永久かどうかはわからない。
でも、今、わたしの物語の最新ページの上では「大切な人」と記されているし、その事実は永久に消えない。
だから永遠に昼過ぎ。
閑話休題。
なんかよくわからないままふらふら生きてるガキの私をたくさんの言葉でほめてくれる人たちが増えた。なんだか無駄に生きてきたのも無駄じゃないなと思えた。
22年、日が昇って落ちるのをただ眺めているだけの人生だと思ってたけど案外そうでもないのかもしれない。
わたしは自分の理想を目指して壊れていった。たぶん、その理想に到達できなかった自分に心底失望したんだと思う。それで、わたしは何も成していないと思ってしまった。
それをごまかすために人の評価を求めた、もうすでに自分への評価はされていたのに。
いったい何年、わたしは自分の価値を勘違いしていたのか。
ああ、でもその経験もすべて今の「わたし」を構成する大切なパーツ。なければわたしでなくなってしまう。
もし生まれ変わるなら、もう一度わたしをしたい。
もう一度、この「昼過ぎ」にいたいから。