忘れることが出来ない
親指に刺さったトゲのように、記憶に張り付いて剥がせないもの。
たぶん死ぬまで抱えて歩くことになるんだろう。
何度吐き出しても、何度酒で流しても、何度薬で溶かしても、何度血で洗っても、何度自分を汚しても、何度肌を重ねても、何度死んでも
忘れられない、消えない。
霞んでくれてもいいはずなのに、いつまでも、いやに鮮明に残ってる。
他はどんどん薄れるし、思い出せないし、声も匂いも覚えてなんてないのに、なんでこれはいつまで経っても体温すら思い出せるのか。
もう、赦して欲しい。
だれに願えばこの思いが叶うのか、だれも教えてくれないけど。
もう一度だけ